Inventure 発売開始
先週ポーランドのZortrax本社でInventureの発表会がありました。Inventureの実機を見てきましたので、内容をお知らせします。
6月末には入荷する予定です。
価格も決定しましたので、SHOPにて販売受付中です。

発表から1年半、ようやく販売になるInventureですが当初の仕様から変更点が幾つかあります。
当初、ULTRATが標準装備でABS系の造形が可能な水溶性サポートが使用可能としていましたがPLAとPETGに変更となりました。
ABS系のフィラメントを溶かす水溶液としてアクティベータを水に溶かして使用する予定でしたが、通常の水道水で溶かすことのできるサポートに変更されました。
この結果を見ると、水溶性サポートはPVAをベースに開発されていることが判ります。
従って、超音波洗浄機としていたDSSシステムは温度調整と水を攪拌するプロペラを備えた専用洗浄機になっています。
造形体積も若干小さくなりました。当初140x140x140mmでしたが135x135x130mmに変更されました。

以下は今まで分からなかった詳しい構造です。
内部は本格的な密閉空間となっており、エクストルーダーの下部に天幕のような遮蔽幕が存在します。通常FDM機ではベッドを温めて造形物の反り返りを防いでいますが、Inventureでは密閉空間を温める方式で、ベッドは高温になりません。
従って、エクストルーダー部の温度は別に管理されていて温度が上がらない構造になっています。
この密閉空間=エンクロージャーは特許の関係があり高額な工業用3Dプリンター以外では非常に難しい技術ではありました。さらにエアーフィルターも装備している事もあり、事務所スペースに置ける音の静かで臭いの出ない3Dプリンターになっています。
専用フィラメントは右側にZ-Support,左側にZ-PETGまたはZ-PLAが収納されます。
専用フィラメントにはICチップが内蔵されており種類や残量を管理しています。したがって
フィラメント切れは自動で検知し停止します。
交換もカートリッジに自動ローディングされるので全く手がかかりません。
造形用のフィラメントと、サポートが入れ替わるとき通常ですと壁やタワーを作ってフィラメントの継続性を保たなければならないのですが、Inventureは奥のクリーニング機構が余計なフィラメントを綺麗にしてくれます。
この機能はUltimake3とは大きく違っています。
詳しくはお問い合わせいただければ、現状分かっている範囲でお答え可能です。