ゴムライク素材の使用例

最近問い合わせの多いゴム質のフィラメントについて、試行錯誤する方が多いと思いましたので参考値のデータを御紹介したいと思います。
代表的なフィラメントにはNinjaFlex、SemiFlex,PolyFlexなどがあります。

Z-SuiteにはADVANCED SETTINGというモードがあり、純正フィラメント以外はこちらを選択してパラメータを変更しながら使用する必要があります。
更に、柔らかいフィラメントほどエクストルーダーの押出し装置の調節が必要でMシリーズでは挟み込む力の加減が出来ません。
また柔らかいフィラメントは、押し出す力でフィラメントが曲がりエクストルーダーのギアに巻き付いてしまいます。
そこで、巻き込み防止にアダプターを作成し、装着します。
さらに、ノズル内に残るフィラメントごとにホットエンドを用意することをお勧めします。
純正のフィラメントでもGLASSを使用後はABSを流し直しておくことを勧めていますが、フィラメントは溶ける温度が個々に違うため、別なフィラメントを入れると前のフィラメントが内部に残ってノズルを詰まらせることが多々あります。
http://library.zortrax.com/project/filler/


ABSで作成しましたが若干外周が大きくなってしまい、紙やすりで削り装着してみました。
しかし何度か挑戦してみましたが、NinjaFlexでは柔らかすぎて送れないことが判りました。
NinjaFlexはShore Hardness = 85Aとなっており、フィラメント自体が輪ゴムのような状態です。
そこで、もう少し硬いPolyFlexを使用してみます。
Shore Hardness = 90~95Aとなっており、引張り強度は30~35 MPa、伸びは400%以上となっています。これならある程度押すことが出来そうだったので、挑戦してみます。
まずPolyFlexの推奨温度235℃で造形してみましたが、Zortraxの特徴である太いラフト部分が作成できません。かなり多めに送り込むのでノズル内で詰まるのかフィラメントがスリップして失敗します。
そこで徐々に温度を上げていき、結局260℃でラフトが成功しました。
PRINT SPEED -50% 、RETRACTION DISTANCE 1mm がABS-BASEDからの変更点です。また今回柔らかさを実感するためにSHELL(中空)を選択して、ビニールのおもちゃにしてみました。WALL THICKNESS=2 に設定しました。


造形直後のアシカを御覧ください。

純正以外のフィラメントは作成方法などはサポート外ですが、機器の保証には影響しませんので挑戦してみてください。なおこのパラメータは参考としてアップしていますので御自分で試行錯誤の上、ご利用くださるようお願いいたします。
PolyFlexはPolymaker社の製品で国内代理店である弊社ダイレクトショップでご購入下さい。https://shop.sin.jp/c-item-detail?ic=0065
次回はカーボンファイバー入りナイロンに挑戦してみたいと思います。